本来は「上巳(じょうし)の節供」といい、300年頃の古代中国にさかのぼります。「上巳(じょうし)」とは旧暦3月の最初の巳の日ことで、のちに行事の 日付が変動しないよう3月3日となりました。もともとは女の子のお祭りではなく、春を寿ぎ、無病息災を願う厄祓い行事だったのです。


■ ひな人形のいわれ


内裏(だいり)びな

内裏とは天皇の住まいである御所のことで、お内裏様とお雛様が幸せの象徴となっています。
日本古来の並べ方は、左上位の考え方により向かって右に男び な、左に女びな(人形側から見ると、左上位で左に男びな)でしたが、昭和天皇が国際マナーに則して右上位に並ぶようになってからは、向かって左に男びな、 右に女びなを並べるようになりました。今でも伝統を重んじる京都などでは、日本古来の並べ方です。
三人官女(さんにんかんじょ)

内裏に仕える女官たち。中央の女官長はお酒を飲む盃を三方にのせて持ち(上方では松竹梅の飾りのついた「嶋台」)、結婚しているので眉毛がありません(昔 は結婚すると眉毛をそりました)。向かって左の女官は、お酒の入った「加えの銚子」を持ち、口を開いています。向かって右の女官は、お酒を注ぐ「長柄の銚 子」を持ち、口は閉じています。
五人囃子(ごにんばやし)

能の演奏をする人たち。笛、太鼓、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおかわ)、謡(うたい)の五人で、それぞれの表情も違います。